野良猫の避妊手術をするために開腹したところ、急に呼吸状態が悪くなりました。横隔膜に穴が開いていることを確認し、急遽整復手術を行いました。
術後は、呼吸が苦しそうな状態が半日ほど続きましたが、なんとか改善しました。
抜糸まで入院し、退院後は連れて来られた方のつてで保護されることになりました。
横隔膜ヘルニアは手術のリスクが高いため、実施するかどうかは慎重に判断する必要があります。今回は野良猫の避妊手術の途中でわかったため、そのままやらざるを得ない状況でした。術後に呼吸状態が悪化することが多いため、それを乗り切れるかどうかが問題となります。触れない野良猫においては、手術前後の管理が困難であり、リスクが非常に高いです。最初からわかっていればやらないだろうと思います。
野良猫の避妊手術では、今回のように予期せぬ事態が起きることもあります。飼い猫であれば家での状態を把握して術前に検査もできますが、野良猫はお金がかけられず、健康状態が良くなさそうでも手術するしかなく、そもそも麻酔をかけないと触れません。リスクを理解していただかないと避妊手術はできませんが、理解していただければできる限りのことは致します。
横隔膜ヘルニアは飼い猫においても稀に存在しますので、家での呼吸がなんとなく荒いとか、気になることがあれば必ず言っていただくようお願い致します。