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犬のマラセチア皮膚炎

 マラセチアは皮膚や耳道内に常在している真菌です。酵母、カビとも呼ばれます。通常はあまり病原性はないのですが、何らかの原因により過度に増殖すると皮膚炎や外耳炎を引き起こします。常在菌ですので、他の動物や人に感染する心配はありません。

 マラセチアは皮脂を好むため、皮膚がベタついている脂漏症の犬では増殖が起こりやすく、また、アレルギー性皮膚炎などにより皮膚のバリア機能が低下しているような場合にも増殖が起こりやすいです。全ての犬種で発症しますが、特にシーズー、パグ、ウェスティーなどにおいて多くみられます。

 症状としては、特有の臭いを伴う灰色や黄色の脂っぽい汚れが生じ、皮膚が赤くなったり毛が抜けたりします。強い痒みがある場合が多いです。

 治療は、まずはシャンプー療法が勧められます。抗真菌剤や角質溶解成分を含有した薬用シャンプーで週1~2回洗うと効果的です。他に、抗真菌剤を内服で投与することもあります。また、アレルギー性皮膚炎などの基礎疾患がある場合にはそれに対する治療も行います。

 治療において問題となるのはシャンプーを頻回に行うことの大変さであると思います。皮膚の状態が良くなった後も、維持していくのに通常よりも多めのシャンプーが必要となることが多いため、なんとか続けていただければというところです。

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