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犬猫の紐状異物

 犬猫は紐(ひも)や糸を誤飲してしまうことがあります。これらは一見あまり危険そうには見えないのですが、実は誤飲した場合には非常に危険なものとなります。

 紐や糸は腸に絡まりやすく、そうすると腸はたぐり寄せられ、よじれた状態で閉塞してしまいます。これは他の異物による閉塞よりも厄介で、腸の穿孔や壊死が生じやすいです。

 腸が閉塞した場合には嘔吐、腹痛、食欲低下などの激しい症状が出ます。異物が胃の中にとどまっていれば無症状のことが多いですが、後に腸に流れて閉塞する恐れがありますので、放置して大丈夫というわけではありません。

 治療としては、異物が胃の中にある段階であれば吐かせたり内視鏡で摘出したりすることが可能です。腸に流れて閉塞している場合には早急に手術をする必要があります。腸の損傷は時間が経つほど進行していきます。壊死していたり腹膜炎になっていたりする場合は手術をしても助けらないことがありますので、早めの対処が重要となります。

 紐状異物は特に猫において多くみられ、紐や糸そのものでなくても紐状のおもちゃ、衣服、布、絨毯などで危険性があります。紐で遊んでいて目を離したすきに誤飲してしまうという例が多いので、飲み込んでしまいそうな猫の場合は紐で遊ばないほうがいいのではないかと思います。

 紐を誤飲しても運が良ければ流れて便に出てきます。しかし上記のように閉塞した場合には命に関わりますので、誤飲に気付いたらすぐに動物病院にご相談ください。特に嘔吐などの症状が出ている場合は緊急性がありますので、ご注意ください。

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