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症例紹介
2015/12/17
症例:猫の横隔膜ヘルニア

 野良猫の避妊手術をするために開腹したところ、急に呼吸状態が悪くなりました。横隔膜に穴が開いていることを確認し、急遽整復手術を行いました。
 

 肝臓と腸が横隔膜の穴から胸腔内に入り込んでいました。
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 それらを腹腔内に戻しました。
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 その後、横隔膜を縫合して閉鎖しました。
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 術後は、呼吸が苦しそうな状態が半日ほど続きましたが、なんとか改善しました。
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 抜糸まで入院し、退院後は連れて来られた方のつてで保護されることになりました。
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 横隔膜ヘルニアは手術のリスクが高いため、実施するかどうかは慎重に判断する必要があります。今回は野良猫の避妊手術の途中でわかったため、そのままやらざるを得ない状況でした。術後に呼吸状態が悪化することが多いため、それを乗り切れるかどうかが問題となります。触れない野良猫においては、手術前後の管理が困難であり、リスクが非常に高いです。最初からわかっていればやらないだろうと思います。
 
 
 野良猫の避妊手術では、今回のように予期せぬ事態が起きることもあります。飼い猫であれば家での状態を把握して術前に検査もできますが、野良猫はお金がかけられず、健康状態が良くなさそうでも手術するしかなく、そもそも麻酔をかけないと触れません。リスクを理解していただかないと避妊手術はできませんが、理解していただければできる限りのことは致します。
 
 
 横隔膜ヘルニアは飼い猫においても稀に存在しますので、家での呼吸がなんとなく荒いとか、気になることがあれば必ず言っていただくようお願い致します。

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