瓜実条虫または犬条虫という名前の寄生虫です。犬猫の腸に寄生します。
この寄生虫はサナダ虫の一種であり、数mmの片節と呼ばれる単位が長くつながって一匹が形成されています。片節は一つ一つちぎれて肛門から外に出てきます。片節の内部には卵が入っていて後に破れ出ますが、その卵をノミが食べます。そのノミが犬猫のグルーミング時などに口に入り、感染が成立します。
片節は外に出た直後はウネウネと動いていますが、しだいに乾燥して動かなくなり、白色~黄土色の粒となります。お尻についていたり床に落ちていたりして発見されることが多いです。
瓜実条虫は糞便中に卵を産むわけではないため、糞便を顕微鏡で検査しても検出できません。外に出てきた片節を肉眼で見つけることにより診断することになります。健康診断などでは見つけられないという点を御了承ください。
見た目は気持ち悪いと思いますが病原性は低く、通常は無症状です。一般的な駆虫薬により駆除できます。
瓜実条虫は同居の犬や猫にも移るため、一頭にみられた場合は全頭併せて駆虫したほうがよいでしょう。また、中間宿主であるノミもいる(または過去にいた)と考えられますので、ノミも同時に駆除することが推奨されます。