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院長コラム
2022/04/26
【コラム】診療時間、夜間対応などについて

   
診療時間について
  
当院の診療時間は9:30〜19:00(12:00〜16:30は休診時間)です。
  
朝が遅いのは「スタッフの勤務時間短縮」「私が早く起きたくない」などの理由によります。
  
多くの病院は9:00~19:00(12:00〜16:00は休診時間)ですが、そのためにはスタッフは8:30~19:00まで病院にいなければいけないことになります。少しでも拘束時間を短くしようという配慮から、朝を遅くしております。    
    
   
休診時間について
    
休診時間は4時間半と長いですが、休憩しているのは1時間だけです。それ以外の時間は手術やトリミングなどで忙しいです。
 
多くの病院の休診時間は3~4時間ですが、当院は獣医師が1人しかおりませんので、長時間の手術を想定して4時間半にしております。時間に追われるとろくなことになりません。
  
緊急の場合(誤食、呼吸困難、痙攣発作、出血など)は休診時間中でも電話していただいてかまいません。診られる時は診ております。必ず電話連絡をしてから来てください。
    
   
夜間対応について
  
多くの病院は夜間不対応のようですが、当院はかかりつけの方のみなるべく対応するようにしております。
  
夜間は緊急性の高い病気が多くみられますので、獣医師1人で的確な診断治療を行うのは困難です。動物を助けられないかもしれませんし、獣医師側も責任を問われるリスクを負うことになります。たまに、「緊急です!診てください!」と何度もしつこく留守番電話に録音される初診の方がいらっしゃいますが、緊急であればあるほど獣医師1人で診るべきではありません。幸いなことに、当院の近隣には夜間病院や24時間病院がたくさんありますので、そちらを受診してください。
    
一方で、私はかかりつけの方には対応しております。これは「夜間救急に行くと高い」「経過を把握しておらず治療がスムーズにいかない可能性がある」「当院がかかりつけということは私に診てほしい方が多いだろう」といった理由からです。
  
なお、来院歴があるかどうかではなく、かかりつけなのかどうかが重要です。普段別の病院に行っている方の経過は把握しておりませんし、飼い主さんも私に診てほしいと思っていないでしょうから、リスクを負ってまで診るメリットがありませんしお金を心配する義理もありません。「前にそちらにかかっていました」と言ってくる方もいらっしゃいますが、今は別の病院を選んでいるのであればその病院にお願いしてください。
  
私は遠くに住んでいるため家に帰っている日は対応できませんが、病院に泊まっている日が半分くらいありますので、そのような日は対応できるかもしれません。緊急時は電話していただいてかまいませんが、折り返しがなければ「ひがし東京夜間救急動物医療センター様」にお問い合わせください。
  
動物の状態しだいでは、私が1人で診るよりも夜間救急病院で診てもらったほうがいい場合もあります。例えば、尿道閉塞やアナフィラキシーなどの治療を1人で行うのは無謀と思われます。
  
 
休診日の対応について
   
休診日は、電話をしていただいて数時間後などでよければ対応できる場合が多いです。当院で治療中の方に関してはなるべく対応するようにしております。
  
連日の注射が必要な場合などは、事前に時間を決めて休診日にも来院していただいています。
   
   
時間外診療費について
  
休診日の時間外診療費は基本的に請求しておりません。夜間に関しては請求する時としない時がありますが、これは状況しだいとなります。継続治療中で病状が悪化した場合などはほぼ請求しておりません。
  
  
留守番電話について
  
診療時間外は留守番電話になっており、留守録が私の携帯に転送されてきます。そのため、緊急時以外は録音しないようにしてください。特に朝は寝ておりますので、転送の留守録で起こされると睡眠不足になります。
  
「今朝吐いたので午前の診療で伺います」という不要な連絡とか、「野良猫が捕まらなかったのでキャンセルしてください」という不急の連絡とか、「今朝の散歩で便が緩かったです」という緊急性の低い相談などは9時半以降にお願いします。早朝でも急いだほうがいいのは「呼吸困難」「発作重積」ぐらいでしょうか。
  
休診日も、不急の相談などは翌日以降にしてください。避妊手術の相談で折り返しを要求してくる方もいらっしゃいますが、不急であれば折り返しは致しません。
  
なお、折り返しは非通知で行いますので、非通知着信拒否設定は解除しておいてください。過半数の方は非通知拒否になっていますが、番号を通知してまでかけなおすかどうかは私の気分しだいとなります。
 
  
時間外対応に関して思うこと
   
多くの病院は、開院後しばらくは頑張って夜間対応を行いますが、そのうち疲弊してやめます(あるいはかかりつけの方のみ対応)。夜間は態度の悪い方が多く、未払いも多く、初診を受け付けるとろくなことにならないというのが共通見解です。
    
不思議なことに、時間外に診ても感謝はされません。対応してあげてもその後に口コミサイトに悪口を書く人間の割合が多いです。逆に、診なくても文句は言われません。病院選びの基準にもなっていなさそうです。それなら診ないほうがいいという話になりますね。休診日に電話すら繋がらない病院をあえて選ぶのが不思議ですが、そこまで考えが及ぶ方は少ないようです。
  
大きな病院や企業系病院では雇われ獣医師が働いていますので、残業代や労働環境などの問題が関わってきて話が難しくなります。雇われ獣医師の待遇が昔より改善されているのは良いのですが、その分診療費も高くなっており、飼い主さんの立場から見るとコストパフォーマンスが悪いです。夜間も対応していない場合が多いです。
  
小さな病院では、院長自ら残業する分には労基の問題は生じません。ただ、体力やプライベートなど別の問題が生じてきますので、対応は各々の院長の方針しだいとなります。院長の方針は、「仕事とプライベートを分けているかどうか」「心配性かどうか」「おせっかいな性格かどうか」などによっておそらく決まります。「優しい」「動物好き」「寄り添う態度」とかは関係ありません。「重症患者が入院しても家の布団で寝るし休日は家族と過ごす」という獣医師もいれば、「病院での寝泊まりは厭わないし休日がなくなっても気にしない」という獣医師もいますが、これは表向きの接客態度からは判断できません。
  
私の場合は時間外診療で稼ごうとは全く思っておらず、かかりつけの方の役に立つのであればというモチベーションで診ております。かかりつけと言っても、「予防も療法食もネットで買っている」とか「何年も来院していない」とか、それでかかりつけと思われていてもこちらはそう思っていないかもしれませんのでご注意ください。また、かかりつけであったとしても、「時間外に対応するのは当たり前」「少しでも不備があればクレームをつける」といったような方は無理して診ようとは思いませんのでご了承ください。ただ、当院の患者さんの中にはほとんどいらっしゃいません。そのような方はお客様扱いしてくれる病院に通っているのだろうと思われます。
   
当院でも、以下のような事例はあります。
   
・どうしても診てほしいというからわざわざ休診日に診たのに、治療を勧めたら高齢だし年金暮らしだからと言い訳をして何も治療せずに帰る。 
・夜間に対応して、その後再診を指示したのに来ない。それでまた状態が悪くなって「どうしても先生に診てほしいです!」などと夜間に電話してくる。
   
時間外の対応を希望する場合は、ある程度は治療を行う気があることが前提となります。治療する気がない方は、その後は対応いたしませんのでご了承ください。

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