犬猫の去勢手術(雄)は基本的には行ったほうがいいですが、通常は無理には勧めておりません。ただし例外として、家の外に出る猫、潜在精巣の犬、前立腺に問題がある犬に関しては、去勢手術を強くお勧めしています。
家の外に出る猫(あるいは外飼い猫)は、去勢をしていないと縄張り争いでケンカが絶えず、怪我やウイルス感染のリスクがあります。去勢するとあまり外を出歩かなくなったり、ケンカの回数が減ったりすることが多いです。
潜在精巣の犬は、中高齢になると腫瘍になる可能性が高いため、若いうちの手術が望ましいです。腫瘍になる前に精巣を取ってしまえば、その後は全く心配ありません。
未去勢犬は、中高齢になると前立腺炎や膿瘍などを発症するリスクがあります。前立腺膿瘍は死亡してしまうこともある怖い病気です。前立腺炎の徴候がある場合には早めに去勢手術を行って前立腺を縮小させることが望ましいです。膿瘍になってからでは去勢手術だけで治すことは困難となります。
私が去勢手術をお勧めしている場合は概ね上記の状況のいずれかです。病気でもないのに手術したくないというお気持ちもよくわかるのですが、病気になってからでは遅いということもありますので、ご検討いただければ幸いです。