猫には爪をとぐ習性があります。爪をとぐと古い部分が剥がれ落ち、新しく鋭い部分が出てきます。削って丸くしているわけではなく、逆に鋭くしているということです。外で生きていくためには鋭い爪が必要なので手入れをしているわけですが、家の中でペットとして飼う場合にはいろいろと不都合が生じてきます。
爪とぎ自体をやめさせることは困難ですので、室内で飼うには市販の爪とぎを用意する必要があります。それでも壁や家具を傷つけられたり、また爪が鋭くて引っ掛かれたりすることもあります。そのような場合は爪を切ったほうがいいかもしれません。
また、爪をとがないことによっても問題が生じます。長期間爪をとがないと徐々に円状に伸びてきて肉球に刺さり、出血したり化膿したりします。老齢猫は爪をとがなくなる傾向がありますので、そのような場合は刺さらないように定期的に切っていく必要があります。
爪切りは市販の動物用のものを使って家で行っていただくか、あるいは動物病院でも行うことができます。爪切りだけの用事で病院に行ってもいいのかと気にされる方もいらっしゃいますが、全く問題はありませんのでお気軽にご来院ください。凶暴でもたいていはなんとか切れます。
屋外に出る猫については、爪を切ると木や塀を上れなくなったりして危ないので切らないほうがいいでしょう。室内飼育の場合は基本的に切って大丈夫です。